イボの種類と見分け方を徹底解説|原因・症状・治療法まで

CO2レーザーを腕に照射する様子

ある日突然、皮膚にポツッとした突起物を見つけたとき、「これはイボ?」と気になる方も多いのではないでしょうか。一口にイボといっても、その原因や見た目は実にさまざまで、種類によって治療方法も大きく異なります。間違えやすい皮膚のできものも多く、自己判断でケアしてしまうと悪化させてしまうケースもあります。このコラムでは、イボの主な種類と見分け方、それぞれの原因や特徴、治療の基本的な考え方までをわかりやすく解説します。気になる皮膚の変化がある方は、ぜひ参考にしてみてください。


目次

  1. イボとは?そもそもどんなもの?
  2. イボの主な種類一覧
  3. ウイルス性のイボ(尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・尖圭コンジローマなど)
  4. 加齢性のイボ(脂漏性角化症・軟性線維腫)
  5. その他のイボに似た皮膚のできもの
  6. イボの種類の見分け方:形・色・場所に注目する
  7. 自己判断が危険な理由
  8. イボの主な治療方法
  9. イボを予防するためにできること
  10. まとめ

この記事のポイント

イボにはウイルス性(尋常性疣贅・みずいぼ等)と加齢性(脂漏性角化症・軟性線維腫等)があり、種類によって治療法が異なるため、自己判断を避け皮膚科での正確な診断と適切な治療が重要です。

🎯 イボとは?そもそもどんなもの?

イボとは、皮膚の表面に生じるさまざまな突起状のできものを広く指した言葉です。医学的に「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれることが多く、その原因はウイルス感染によるものから、加齢・紫外線・体質によるものまで多岐にわたります。

日常会話では「イボ」という言葉がひとくくりに使われますが、皮膚科学的にはいくつかのまったく異なる疾患が含まれています。見た目が似ていても原因が異なれば治療法も変わるため、正しい種類の把握が適切なケアへの第一歩となります。

皮膚の表面に硬い突起ができる場合もあれば、柔らかくぷにぷにした感触のものもあります。痛みやかゆみを伴う場合もあれば、まったく自覚症状がなく見た目だけが気になるケースも少なくありません。まずはどのような種類があるのかを知ることが、見分け方の基本となります。

Q. ウイルス性イボと加齢性イボの主な違いは何ですか?

ウイルス性イボはヒトパピローマウイルスなどへの感染が原因で、他者や自分の別部位への感染リスクがあります。一方、脂漏性角化症や軟性線維腫などの加齢性イボは、加齢・紫外線・摩擦が原因で感染性はありません。種類によって治療法が異なるため、皮膚科での正確な診断が重要です。

📋 イボの主な種類一覧

イボの種類は大きく「ウイルス性のもの」と「非ウイルス性のもの」に分けられます。以下に代表的な種類を挙げます。

ウイルス性のイボとしては、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)、尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)、伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ=みずいぼ)などがあります。

非ウイルス性のイボとしては、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)、軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)、粉瘤(ふんりゅう)、汗管腫(かんかんしゅ)、稗粒腫(はいりゅうしゅ)などが挙げられます。

これらはいずれも皮膚に生じる隆起性の変化ですが、成因・形状・発生部位・感染性の有無が異なります。それぞれの特徴を順番に詳しく見ていきましょう。

💊 ウイルス性のイボ

🦠 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)

尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じるイボで、日本で最もよく見られるウイルス性イボの一種です。HPVには100種類以上の型があり、尋常性疣贅には主にHPV2型や4型が関与しています。

見た目の特徴としては、皮膚の表面がざらざらとしており、やや硬く盛り上がった小さな突起が形成されます。色は肌色から灰褐色のことが多く、表面をよく見ると小さな黒い点(毛細血管の点状出血)が見られることがあります。この黒い点があるかどうかは、魚の目(鶏眼)との鑑別に重要なポイントのひとつです。

発生しやすい部位は手の指や手の甲、足の裏や足の指などです。特に足の裏にできた場合は歩行時に圧力がかかって内側に向かって成長するため、痛みを感じることがあり、魚の目や胼胝(たこ)と間違えられることも多くあります。

感染経路は皮膚の傷口からのウイルス侵入です。プールや公衆浴場などの湿った場所での素足での歩行、あるいは他者から直接接触によって感染することがあります。免疫力が低下していると感染しやすく、また自分自身の別の部位に広がってしまう「自家接種」が起こることもあります。

👴 青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)

青年性扁平疣贅は、HPV3型や10型などによって引き起こされるイボで、その名の通り若い世代に多く見られます。尋常性疣贅とは異なり、表面が比較的なめらかで扁平(平ら)であることが特徴です。

見た目は2〜5mm程度の小さな平坦な丘疹で、肌色や淡い褐色をしています。顔・額・手の甲・前腕などに好発し、多発することが多いです。かゆみを感じることもあり、引っ掻いた後に新しいイボが一列に並んで出現する「同形反応(ケブネル現象)」が起きやすいことも特徴のひとつです。

自然治癒することもありますが、顔に多発した場合は美容的な悩みになりやすく、治療を希望する方も少なくありません。治療には液体窒素による冷凍凝固療法や、免疫を活性化させる外用薬などが用いられます。

🔸 尖圭コンジローマ

尖圭コンジローマは、性行為によって感染するHPV(主に6型・11型)が原因で生じる性感染症のひとつです。外陰部・肛門周囲・膣内などに発生しやすく、性器周囲に多発する尖った突起または鶏冠(とさか)のような形の突起が特徴です。

色は白色から淡赤色で、複数が集まって大きな塊を形成することもあります。自覚症状はない場合が多いですが、かゆみや出血が生じることもあります。性的接触のある成人に発症することが多く、パートナーへの感染リスクがあるため、早めの受診と治療が重要です。

治療には外用薬(イミキモドクリームなど)や液体窒素療法、外科的切除などが行われます。再発しやすい疾患でもあるため、治療後の経過観察が欠かせません。

💧 伝染性軟属腫(みずいぼ)

伝染性軟属腫、一般的に「みずいぼ」と呼ばれるこの疾患は、伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルスの一種)によって引き起こされます。主に乳幼児・小学生などの子どもに多く見られますが、成人でも免疫が低下していると発症することがあります。

見た目の特徴は、直径2〜5mm程度のなめらかで光沢のある半球状の丘疹で、中央に小さなくぼみ(臍窩:さいか)があることが診断のポイントです。内部に白い粒状の内容物(軟属腫小体)が含まれており、つぶれるとそこから感染が広がることがあります。

皮膚の接触やタオルの共有、プールなどで感染が広がることがあります。免疫が正常であれば、数ヶ月から数年で自然に消退することもありますが、その間に広がるリスクや集団生活での感染拡大の懸念から、医療機関での除去処置を行うケースも多くあります。

Q. みずいぼの見た目の特徴と子どもへの対応は?

みずいぼ(伝染性軟属腫)は、直径2〜5mm程度のなめらかで光沢のある半球状の丘疹で、中央に小さなくぼみがあることが特徴です。免疫が正常であれば自然消退することもありますが、集団生活での感染拡大リスクがあるため、お子さんの状況に応じて医療機関に相談のうえ対応を判断することが大切です。

🏥 加齢性のイボ(脂漏性角化症・軟性線維腫)

✨ 脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)

脂漏性角化症は、「老人性疣贅」とも呼ばれる加齢に伴う良性の皮膚病変です。ウイルスとは無関係で、感染性はありません。中高年以降に多く見られ、加齢・紫外線・遺伝的要因などが関与していると考えられています。

見た目の特徴は、表面がざらざらしており、まるで垢のようなものが貼り付いているように見える茶褐色から黒色の扁平な突起です。境界がはっきりしており、触るとこそぎ取れそうな感触があることが特徴的です。大きさは数mm〜数cmとさまざまで、顔・頭皮・体幹・手の甲などに多発することがあります。

多くは良性ですが、悪性黒色腫(メラノーマ)などの悪性腫瘍と見た目が似ているケースもあるため、色のムラが強い・急速に大きくなる・出血するなどの変化がある場合は皮膚科での診断が必要です。

治療は必須ではありませんが、見た目が気になる場合は液体窒素療法・炭酸ガスレーザー・電気凝固などで除去することができます。

📌 軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)

軟性線維腫は、「アクロコルドン」「スキンタグ」とも呼ばれる柔らかい突起状のできものです。皮膚から細い茎のようなもので繋がってぶら下がるように存在することが多く、触るとぷにぷにとした弾力があります。

色は肌色から薄い褐色で、首・脇の下・まぶた・鼠径部(そけいぶ)・胸下などの皮膚が擦れやすい部位に好発します。大きさは数mm程度のものが多いですが、まれにそれ以上に成長することもあります。

ウイルス感染とは無関係で、加齢・肥満・妊娠・摩擦刺激などが発生に関与すると考えられています。良性であり、基本的に健康上の問題はありませんが、首などの目立つ場所にできると美容的な悩みになることがあります。

治療は液体窒素・電気焼灼・ハサミによる切除などで対応します。複数あっても一度に処置できることが多く、比較的手軽に除去できる種類のイボです。

⚠️ その他のイボに似た皮膚のできもの

▶️ 汗管腫(かんかんしゅ)

汗管腫は、汗を分泌する汗管(エクリン汗管)の組織が過剰増殖することで生じる良性の腫瘍です。思春期以降の女性に多く見られます。

見た目は1〜3mm程度の小さな半球状の丘疹で、肌色から淡い黄色をしています。目の周囲(特に下まぶた周辺)に多発する傾向があり、左右対称に現れることが多いです。かゆみや痛みなどの自覚症状はほとんどなく、美容的な悩みとして相談されることが多いです。

稗粒腫(はいりゅうしゅ)と混同されることがありますが、汗管腫は皮膚の深い部分に由来するため、稗粒腫のように内容物をつぶすことはできません。治療にはレーザー・電気焼灼などが用いられますが、完全な除去が難しいことも多く、再発しやすい点が特徴です。

🔹 稗粒腫(はいりゅうしゅ)

稗粒腫は、皮膚の表面近くに角質(ケラチン)が溜まってできる小さな嚢腫(のうしゅ)です。「ミリア」とも呼ばれます。

直径1〜2mm程度の白色または淡黄色の丸いできもので、目の周囲・頬・鼻などに多く見られます。硬い感触があり、表面が滑らかなことが特徴です。粉瘤と見た目が似ていますが、稗粒腫は非常に小さく、皮膚のごく浅いところにできています。

自然に消えることもありますが、なかなか消えない場合は針などで表面を少し開けて内容物を押し出すことで取り除けます。医療機関での処置として行われる場合は、針やメスで小切開を行う方法が一般的です。

📍 粉瘤(ふんりゅう)

粉瘤(表皮嚢腫)は、皮膚の下に袋状の構造ができ、その中に角質や皮脂が溜まってできるできものです。厳密にはイボとは異なりますが、皮膚の突起として見られることが多く、イボと混同されやすいためここで取り上げます。

見た目は半球状のドーム型の隆起で、中央に黒点(毛孔)が見られることがあります。押すと臭いのある白いクリーム状の内容物が出てくることがあります。感染すると赤く腫れ上がり、強い痛みを伴います。

体のどこにでも発生しますが、顔・首・背中・耳の後ろなどに多い傾向があります。自然治癒はしないため、根治には袋ごと切除する外科的手術が必要です。炎症を起こしてから処置をすると再発リスクが上がるため、小さいうちに専門機関で対処することが勧められます。

💫 魚の目(鶏眼)・たこ(胼胝)

足の裏にできる硬いできものとして、魚の目(鶏眼)やたこ(胼胝)があります。これらはイボではありませんが、足底にできたウイルス性疣贅(特に尋常性疣贅)と非常に間違えられやすいため、合わせて解説します。

魚の目は、特定の部位への継続的な圧力や摩擦によって角質が肥厚し、中心に「芯」が形成されたもので、この芯が神経を圧迫するため歩行時に強い痛みを感じます。たこは広い範囲に角質が均一に厚くなったもので、痛みは比較的少ないです。

ウイルス性疣贅との見分け方としては、削った際に出血の点(毛細血管の出血点)が見られる場合はイボである可能性が高く、角質の芯だけが見える場合は魚の目の可能性が高いとされます。ただし、自己判断での削りすぎは感染リスクを高める可能性もあるため、皮膚科での診断が確実です。

Q. 足の裏のイボと魚の目はどう見分けますか?

足の裏のイボ(尋常性疣贅)と魚の目(鶏眼)の見分け方として、削った際に小さな黒い点(毛細血管の出血点)が見られる場合はイボの可能性が高く、角質の芯だけが見える場合は魚の目の可能性が高いとされています。ただし自己判断での削りすぎは感染リスクを高めるため、皮膚科での診断が確実です。

🔍 イボの種類の見分け方:形・色・場所に注目する

イボの種類を自分で見分けるためには、いくつかのポイントに注目することが役立ちます。ただし、あくまでも参考程度にとどめ、最終的な診断は医療機関で行うことが重要です。

🦠 形・質感に注目する

表面がざらざらとして硬い:尋常性疣贅や脂漏性角化症の可能性があります。特に手足に硬いざらざらしたイボがある場合は尋常性疣贅を疑います。

表面が平らでなめらか:青年性扁平疣贅は扁平で表面がなめらかなことが特徴です。顔や手の甲に小さな平らな丘疹が多発している場合に疑います。

柔らかくてぷらぷらしている:軟性線維腫は茎があって垂れ下がるような形が特徴です。首や脇に柔らかい突起がある場合はこの可能性が高いです。

中央にくぼみがある:伝染性軟属腫(みずいぼ)は半球状で中心にくぼみがあることが特徴です。子どもの体幹に多発している場合はこの可能性があります。

光沢があってなめらか:みずいぼは表面に光沢があります。汗管腫も小さくてなめらかですが、目の周囲に限局することが多いです。

👴 色に注目する

肌色から灰白色:尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・軟性線維腫などが考えられます。

茶褐色から黒色:脂漏性角化症に多い色調です。ただし、黒色で色のムラがある場合は悪性のできものとの鑑別が必要です。

白色・淡黄色で小さい:稗粒腫・汗管腫に多い特徴です。

赤みがかっている・表面が崩れる:炎症を起こしているか、悪性の可能性もあるため、早めに受診することが勧められます。

🔸 発生部位に注目する

手足の指・足の裏:尋常性疣贅が最も多いです。足の裏では魚の目との鑑別が必要です。

顔・額:青年性扁平疣贅が多く見られます。顔の老人性のものは脂漏性角化症の可能性もあります。

首・脇の下・まぶた:軟性線維腫が好発する部位です。

子どもの体幹・四肢:伝染性軟属腫(みずいぼ)が多いです。

目の周囲・頬:汗管腫・稗粒腫が好発します。

外陰部・肛門周囲:尖圭コンジローマの可能性があります。性感染症として早急な受診と治療が必要です。

💧 年齢・発症状況に注目する

子どもに多い:みずいぼ・尋常性疣贅が多いです。

若い世代に多い:青年性扁平疣贅・汗管腫が多い傾向があります。

中高年以降に増える:脂漏性角化症・軟性線維腫が増加します。

妊娠中・体重増加後に増えた:軟性線維腫はホルモン変動や体重増加が関与することがあります。

📝 自己判断が危険な理由

インターネットで「イボ 自分で治す」「イボ 除去 市販薬」などを検索すると、様々な情報が見つかります。しかし、自己判断によるセルフケアはいくつかの観点から危険性があります。

まず、見た目だけではイボの種類を正確に判断することが難しいという点が挙げられます。例えば、黒褐色の脂漏性角化症と悪性黒色腫(皮膚がんの一種)は、専門家でも肉眼での鑑別が難しいことがあります。また、足の裏にできた疣贅と魚の目も混同されやすく、治療法がまったく異なります。

次に、市販の「イボ取り」グッズや液体窒素スプレーは、医療機関で使用される液体窒素と比べて温度や精度が異なるため、処置が不十分になったり、正常な皮膚を傷つけてしまったりすることがあります。

ウイルス性のイボに対して不適切な処置を行うと、ウイルスが周囲に広がり、多発する原因になることもあります。尖圭コンジローマや伝染性軟属腫のような感染性のあるイボは、自己処置によって逆に感染を広げてしまうリスクがあります。

また、糖尿病や免疫疾患などの基礎疾患がある方は、皮膚の傷の治りが遅く、感染リスクが高くなります。このような方が自己処置をすることは特に避けるべきです。

「たかがイボ」と思わず、気になるできものは専門の皮膚科や美容皮膚科などで診てもらうことが、安全で確実な解決への近道です。

Q. 脂漏性角化症は皮膚がんと見分けられますか?

脂漏性角化症は良性の皮膚病変でがん化することは基本的にありませんが、悪性黒色腫(メラノーマ)と見た目が似るケースがあり、専門家でも肉眼での鑑別が難しい場合があります。色のムラが強い・急速に大きくなる・出血するなどの変化が見られる場合は、自己判断せず速やかに皮膚科を受診することが重要です。

💡 イボの主な治療方法

イボの治療法は種類によって異なりますが、ここでは代表的な方法をご紹介します。

✨ 液体窒素による冷凍凝固療法

最も広く行われている治療法で、マイナス196℃の液体窒素をイボに接触させることで組織を凍結・破壊します。ウイルス性疣贅(尋常性疣贅・青年性扁平疣贅)や脂漏性角化症、軟性線維腫などに用いられます。

処置後は一時的に水ぶくれや痂皮(かさぶた)ができますが、数日から1〜2週間程度で剥がれます。1回の処置で完治するケースもありますが、特にウイルス性のイボの場合は数回の治療が必要なことが多いです。通院間隔は1〜2週間ごとが目安です。

📌 電気焼灼(高周波治療・電気凝固)

電気メスや高周波を用いてイボ組織を熱で焼き切る方法です。軟性線維腫・脂漏性角化症・汗管腫などの治療に用いられます。局所麻酔を行って処置するため、痛みは最小限に抑えられます。

▶️ レーザー治療(炭酸ガスレーザー・Qスイッチレーザーなど)

レーザーを用いてイボ組織を精密に焼灼・蒸散する方法です。炭酸ガスレーザーはほぼあらゆる種類のイボに応用できます。傷跡が残りにくく、美容的な観点からも優れた治療法ですが、保険適用外になることが多い点に注意が必要です。

🔹 外用薬・内服薬による治療

ウイルス性のイボには、サリチル酸外用(角質を軟化・溶解する作用)や、免疫を活性化させるイミキモドクリームなどが用いられることがあります。また、ヨクイニン(ハトムギの種皮を原料とした漢方薬)の内服が尋常性疣贅や伝染性軟属腫に対して処方されることもあります。

📍 外科的切除

粉瘤・大きくなった軟性線維腫などには、局所麻酔下でメスを使って切除する方法が選択されることがあります。粉瘤は袋ごと摘出することが根治に必要で、再発防止のために内容物だけを出すのではなく、袋全体を取り除くことが重要です。

💫 ピンセット法(みずいぼ)

伝染性軟属腫(みずいぼ)では、専用のピンセットでひとつひとつ摘除する方法が行われます。処置前に麻酔テープを貼って痛みを軽減してから行うことが一般的です。摘除後はしっかり消毒して感染予防を行います。

✨ イボを予防するためにできること

ウイルス性のイボは感染症であるため、予防策を心がけることである程度リスクを下げることができます。また、加齢性のイボについても、生活習慣の見直しによって増加を抑えることが期待できます。

🦠 ウイルス性イボの予防

皮膚に傷を作らないことがウイルスの侵入を防ぐ基本です。手荒れやひび割れがある場合は、保湿をしっかり行って皮膚バリア機能を維持することが大切です。

プールや公衆浴場では裸足での歩行を避け、サンダルなどを使用する習慣をつけることで、足底からのウイルス感染リスクを減らすことができます。

タオルや靴下などを他者と共有しないことも、感染予防として有効です。家庭内でイボのある方がいる場合は、特に注意が必要です。

また、免疫力を高く保つことも重要です。睡眠不足・ストレス過多・栄養の偏りなどが続くと免疫力が低下し、ウイルスに感染しやすくなります。規則正しい生活習慣を心がけることが、間接的なイボ予防にもつながります。

尖圭コンジローマ(HPV感染による性器イボ)については、コンドームの使用や性的パートナー数の管理などが感染予防に有効です。また、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)は一部の型のHPV感染を予防でき、尖圭コンジローマの原因となるHPV6型・11型にも一部対応しているワクチンがあります。

👴 加齢性イボの予防・増悪防止

脂漏性角化症の発生には紫外線が関与していると考えられているため、日焼け止めの使用や帽子・衣類による紫外線対策を日常的に行うことが予防につながります。

軟性線維腫は肥満や皮膚への摩擦が関与することがあります。適切な体重管理や、肌に合ったゆとりのある衣類を選ぶことで、発生リスクをある程度抑えることが可能です。

皮膚の乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、さまざまなできものができやすい環境を作ります。保湿ケアを継続して行うことが、皮膚の健康維持に重要です。

📌 よくある質問

イボと魚の目はどう見分ければよいですか?

削った際に小さな黒い点(毛細血管の出血点)が見られる場合はイボである可能性が高く、角質の芯だけが見える場合は魚の目の可能性が高いとされています。ただし、自己判断での削りすぎは感染リスクを高める恐れがあるため、正確な判断は皮膚科での診断をおすすめします。

子どものみずいぼは自然に治りますか?

免疫が正常であれば、数ヶ月から数年で自然に消退することがあります。ただし、その間に広がるリスクや、集団生活での感染拡大の懸念があります。そのため、自然治癒を待つかどうかは、お子さんの状況に応じて医療機関に相談のうえ判断することが大切です。

市販のイボ取りグッズを使っても大丈夫ですか?

自己判断でのセルフケアはおすすめできません。市販品は医療機関で使用される液体窒素と比べて精度が異なり、正常な皮膚を傷つけたり、ウイルスを周囲に広げたりするリスクがあります。また、悪性のできものと見誤る危険性もあるため、まず皮膚科での診断を受けることが安全です。

脂漏性角化症(老人性イボ)はがんになりますか?

脂漏性角化症自体は良性の皮膚病変であり、基本的にがん化することはありません。ただし、悪性黒色腫(メラノーマ)など悪性腫瘍と見た目が似ているケースがあります。色のムラが強い・急速に大きくなる・出血するなどの変化がある場合は、速やかに皮膚科を受診することをおすすめします。

イボの治療は何回通院すれば完治しますか?

イボの種類や状態によって異なります。液体窒素による冷凍凝固療法の場合、1回で完治するケースもありますが、ウイルス性イボでは1〜2週間ごとに複数回の通院が必要になることが多いです。レーザーや電気焼灼では少ない回数での除去が期待できる場合もあります。詳しくは医療機関にご相談ください。

🎯 まとめ

今回は、イボの種類と見分け方について詳しく解説しました。イボとひとことで言っても、ウイルス性のもの(尋常性疣贅・青年性扁平疣贅・尖圭コンジローマ・みずいぼ)から、加齢性のもの(脂漏性角化症・軟性線維腫)、さらに他のできもの(汗管腫・稗粒腫・粉瘤・魚の目)まで、非常に多くの種類があることがわかります。

見分けるためのポイントとして、形・質感・色・発生部位・年齢などに注目することが有効ですが、見た目だけでの自己判断には限界があり、悪性のできものと混同するリスクもあります。適切な治療を受けるためにも、気になるできものがある場合は自己処置を行わず、皮膚科や専門クリニックに相談することをおすすめします。

早めの受診がイボの早期解決につながります。正確な診断と適切な治療を受けることで、皮膚のトラブルをすっきりと解消しましょう。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 尋常性疣贅・伝染性軟属腫・尖圭コンジローマなどウイルス性イボの診断基準・治療ガイドラインに関する情報
  • 国立感染症研究所 – ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染経路・感染予防・尖圭コンジローマおよびHPVワクチンに関する情報
  • 厚生労働省 – HPVワクチン接種・性感染症対策・免疫疾患を持つ患者への感染予防に関する公式情報

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